結局彼女は、待ち合わせの場所にも現れません。彼女の連絡先にも繋いでみましたが、連絡もつながらなくなっていました。

 

 彼はひどく落ち込みました。こういうものを使ってもだまされることがないという自信はあったのです。神待ち掲示板にのっていたレビューごときで信じた自分でしたが、二度とこの手のものは信じないと心に決めました。とにかくだまされたことは間違いないようですが、お金をだまし取られたわけではありません。それだけが救いといえば救いだったと言えます。

 

 彼はスマホを取り出し、神待ちについてもう一度調べ直そうと思いましたが、それは帰ってからパソコンで調べれば良いことです。それより何がいけなかったのか、散歩をしながら考えてみることにしました。

 

 ただ思い浮かぶのは、神待ちの力を借りて童貞を捨てることの馬鹿さ加減が尋常ではなかったなということです。むかしでも、風俗で童貞を卒業する話はありました。いまは、神待ち掲示板で風俗の代わりといえるでしょう。でもそれを失敗したということです。これは、どう見ても神待ち掲示板が、むかして言う風俗の代わりの機能を果たしていないということがダメな理由なわけです。もっと平たく言うと、神待ち掲示板が実際には存在していないのに、存在すると思っていたわけです。つまりしっかりとした下調べもせず、神待ちに近寄ってしまったのがそもそもの間違いだったわけです。

 

 ほかにも、リアルの恋人ができないのはなぜなのかということも当然考えてみましたが、こちらは答えがが出てきません。それがいちばんの間違いかもとは思ったのですが、童貞を卒業したい気持ちにはウソはつけません。
 なぜかはわかりませんが、どうせなら、童貞を捨てるのは別の女性の力を借りたい。その後で、リアルの恋愛をしてみたいというのが本音だったのです。だから、恋愛恐怖症の類いではないと自分では思っていました。

 

 彼は自宅に帰ると、パソコンのメーラーを開きました。彼は考えながら気づいていたんです。そうするとやっぱりそれは来てました。